O.N.S MANUAL

デジタルとアナログの抽象アート:ダン・コバート氏 x O.N.S

ブルックリン在住のダン・コバート氏は、抽象的な造形にこだわる。そのアートの原動力は、彼自身の質感、構成、形状を見抜く天才的な能力だ。そしてその能力は様々なメディアで発揮されている。コバート氏は、アナログ作業とデジタル作業を併用し、それぞれの狭間や空白を使う。緩やかなラインに偶然・自然発生的な要素を混ぜ合わせることで、実にユニークな形状を生み出す。今回のO.N.Sアート特別企画第2弾として、71 Greene SoHoのO.N.S店内のカフェに、素晴らしい壁画を完成させたばかりの同氏について特集する。近所を訪れた際には、ぜひ立ち寄って作品を鑑賞してほしい。

O.N.Sとのエキサイティングな共同企画、壁画製作の背景にある影響やインスピレーションについて教えてもらえる?

最大のインスピレーションは、O.N.S.の店の空間そのもの、それから自分が作る形とそれを描かれる壁との間の「やりとり」かな。

僕の興味は、究極的には、正確さと抽象性を同時に追求することで生じる効果なんだ。抽象的な形を組み合わせ、きちんと構成されているように見えながら、自然発生的でもあるとか。デジタルや機械的なプロセスでしか得られない完璧さを追求しつつ、アナログを併用することのパラドックスとか。

絵画やデザインの世界に入ったきっかけは?

若い頃は、絵やグラフィティを描いていた。ところが、グラフィックデザインを学ぶために美術学校に通い出した途端、ぴたりと描かなくなった。面白いくらいにね。 10年以上前に「ドレスコード」っていうデザイン会社を共同設立したのを皮切りに、だんだんと時が経つにつれて大手ブランドや広告代理店のコマーシャルを作る制作会社へとシフトしていったんだ。

ビジネス経営は好きだが、何かをしているという実感は、グラフィックデザインほどないね。それで、心の奥にまたモノを作りたいという気持ちがあった。2012年から1日の締めくくりとして毎晩10分ほど描きはじめた。そのうちに描きたかったものを描くようになって、次第に人生に占めるアートの存在が大きくなっていった。

創作活動のツールについて質問したい。緻密で、しかも複数のメディアにまたがって展開する作品づくりだが、気に入っているツールは何?またその理由は?

以前は、自分が取り組む対象がどんな材質の面であろうと、直接その上に形をスケッチしながら自分の描きたいスタイルを見つけていくようにしていた。けれど、それにはものすごく時間がかかったし、それに、描き損じたり、あるいは、釣り合いが取れていない、とか、中心がずれている、というミスに気付いたとしてもやり直す余地は殆どなかった。

だから今は、まずスケッチブックに手描きすることから始めている。故意にすばやく、ざっくりと描く。気に入るアイディアが描けたら、今度はそれをスキャンして、コンピューターに取り込む。そして簡単に編集できるイラストレーターで、100%満足するまで何度も編集を繰り返しながら、緻密で幾何学的な下絵を作り上げていくんだ。そしてそれを実際に描く面に写したら、いよいよ筆を握って自分の手で入念に描いてゆく。そこから完璧を目指した奮闘が始まるんだ。

この壁画の製作では、マスキングテープに頼らざるを得なかった。 いつもなら、自分の仕事でマスキングテープを使うことは全くないんだけど、今回ばかりは、これを使わなかったら締め切りに到底間に合わせることはできなかっただろう。この壁画に関して言うならば、ぼくのお気に入りのツールは、フロッグテープだろうね。(笑)

まじめな話、ぼくは、意識的にあまりたくさんの複雑なツールを使わないようにしている。ぼくにとっては、手を使った技というものがとても大事なんだ。 マスキングテープに頼って速く、正確に絵を描くことは簡単だ。でも、それではつまらない。出来上がった作品は完璧すぎて、きっとどこか冷たい感じがするんじゃないかな。自分の作品を遠く離れて見てみるときれいで完璧なんだけど、近くでじっくりよく見てみると、どの直線も曲線も完全に正確に描かれているものは全くない。ぼくは、自分の作品のそんなところが好きなんだ。美しさや人間味っていうのは、そういう不完全なものにこそあるんじゃないかな。

今まで絵画、木工、織物柄に取り組んできただけでなく、短編映画の監督まで務めたこともあるけれど、今後取り組んでみたいクリエイティブなメディアは?

正直なところ、この壁画の企画は、仕事予定リストの中でもトップの最重要で、とても楽しみにしていたんだ。ここ数年大きなスケールの仕事がしたいとずっと思っていたから、この話が来た時は、チャンス到来だと思って本当に嬉しかったよ。

あと、このところ、あちこちの陶芸教室にも通っていていて、この分野をもっと探求したいと考えている。自分の作品に色付けまで行うか、またはデザインして、製作は職人にお任せするか。

様々なメディア、さまざまなスケールの創作に関わってきた中で、今の一番のお気に入りは何?

子供の頃から週末には父の木工店を手伝っていたりして、昔から木を扱う仕事が大好きなんだ。ここ数年はあまり作品を作っていないけれど、実は自宅の地下室で木工店の準備をのんびり進めているんだ。また自分の形を木材で表現できるようになるのが楽しみだよ。

でもやっぱり挙げるとすれば、ここ数年で一番印象に残ったできごとは、ルナ・テキスタイル社と協力して、ボインクという僕の絵をモチーフにした柄の布を製作したことかな。色違いで10色発売したら、とても好評だったんだ。それで、ぼくはその布を使って枕やちょっとした家具を作ったりして。楽しかったなぁ。

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