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ストレッチミュージック:クリスチャン・スコット

文化や芸術など、どんなジャンルでも進化し盛り上げていくためには、クリエイティブなリスクを恐れず、新しいことに挑戦する個々人の存在が不可欠です。クリスチャン・スコット(Christian Scott)は自らジャズに大胆な革新と複雑性を織り交ぜ、新しいジャズの形を確立しました。ボストンの名門バークリー音楽大学を卒業した彼は、クラシックのトランペット奏者であり、作曲、プロデュースも手がけます。彼の心には広がり続ける好奇心があり、その才能は違うジャンルの音楽を融合させたときに最も花開きます。マイルス・デイヴィスのソウルフルなリフレインに合わせながら、レディオヘッドのエレクトロニカサウンドとバトルスの緻密なマスロックを見事に融合させかっこいいサウンドを生み出します。どの分野の音楽であってもスコットさんは果敢に深く探求するのです。次の作品にはなんとトラップミュージックも取り入れるということですから目が離せません。我々はマンハッタンの老舗ジャズクラブ・ブルーノートで彼の音楽の旅についてお聞きしました。

初めてトランペットを演奏したときのことを覚えていますか。
はい、いとこのブライアンのトランペットがきっかけでした。ブラインはもらったばかりのトランペットを私と兄に見せていたんです。シルバーのジョイントとゴールドのベル部分が美しいトランペットでした。

スコットさんの家系にはクリエイティブなDNAがあるようですね。叔父のドナルド・ハリソンさんは伝説的なサックス奏者ですし、双子のお兄さんも素晴らしい作家、そして映像ディレクターであられます。どこからこのような特性が来たのでしょうか。
こうやってやってこれたのが、遺伝のおかげかと言われるとよくわかりません。でも私の家族は皆とても強い意思があって、何か目標を決めるとそれに向かって努力を惜しまない、そんな人たちです。

どれほどの年月トランペットを練習し、習得してきたのですか。
11歳のころから吹いているのですが、もう22年前ですね。1日に3?6時間練習して、8年かけてやっと聞くに耐える音を出せるようになりました(笑)。

「私の青春はどうやったら音楽で文化や時間をつなぐ架け橋を作れるか、その試行錯誤の連続でした。」

ご自身のジャズを説明するなら、どうなるでしょうか。
ストレッチミュージック(Stretch Music)と言われていますね。他者にとっての確かなバックグラウンドを、あなたも必ず持っていなくてはならないということはないのです。ある意味、全てが正当であると思えるように自分を拡張するということです。音楽を通したやりとりの方法を見つめなおして、そこから生まれる新しい音なんです。私の青春はどうやったら音楽で文化や時間をつなぐ架け橋を作れるか、その試行錯誤の連続でした。たまたま属している宗教、信条、文化に関わらず、他者とのコミュニケーションの仕方を考えなおしたり、他人に積極的に関わっていくことは、より良い関係を築く上で大事だと思います。「ストレッチミュージック」はジャンルの無い音楽と言ってもいいでしょう。ジャズのリズムやメロディックでハーモニックな会話をストレッチ(拡大)して、できるだけたくさんの音楽の形式や、方言、思考のプロセスに出会うこと。音楽、文化の架け橋を見つけるために、徹底的に過去の思考のプロセス、やり方を見直すことがストレッチミュージックなのです。この世代の音楽、文化、共通言語を高めることでもあります。

スコットさんのトランペットは素晴らしいですね。この後ろにあるストーリーを聞かせて下さい。
私がデザインしたブラス管楽器のラインはアダムス・インストゥルメントとパートナーを組んでやっています。セイレン、サイレネッテ、リバース・フリューゲルホルン、ベルトランペットなどをデザインしました。マイエル・アダムスと一緒に製作しているのですが、世界中でこの人ほどかっこいいホーンデザイナーはいないと思います。クリスチャン・スコットのラインは2017年から発売開始予定です。

ちなみに、スコットさんのアクセサリーについてもお聞きしたいです。とてもファンキーでユニークなアクセサリーをされていますが、どこで買われているのですか。
世界中で買っていますね。平均で1年に200日はツアーに行っているので。セネガル、インドネシア、モロッコ、トルコ、デンマーク、シンガポール、カナリア諸島などなど、で買いました。これは唯一無二のものだ、と感じたら欲しくなってしまうんです。

次のアルバムはいつリリースになる予定ですか。また雰囲気やテーマなど、できる範囲で教えていただけますか。
9月と1月に新しいものが発売されます。ストレッチミュージックの進化形です。トラップミュージックの音をもっと取り入れたいと考えています。ジョン・コルトレーンの『 A Love Supreme』やマイルス・デイヴィスの『Kind of Blue』をトラップミュージックのビートや要素をミックスしてみたらおもしろいと思うんです。(下のビデオはスコットさんと新進気鋭のヒップホッパーたちとのコラボ楽曲です。)

プロとして活躍されてすぐの頃から、ライブでもスタジオでも本当にたくさんのものを生み出していますね。どれくらいの頻度で新しい音楽をレコーディングされているのですか。また1ヶ月に作曲する数はどのくらいなのでしょうか。
1年に1つはレコードを作りたいんです。昨年はレコード2つと、ライブレコード1つを作りましたね。2つの新しいプロジェクトがあるので、今年はさらに忙しくなりそうです。たくさん作曲していますよ、そうですね1ヶ月に20?30曲作っています。

ジャズ奏者といえばおしゃれな方が多いですが、スコットさんのファッションに対するこだわりはなんでしょうか、オンとオフのどちらも知りたいです。
ステージに立っている時の格好は、そのまま日常的に着ているものなんです。仮の姿で観客を楽しませるのはいやで。本当の私自身の姿を見ていただきたいんです。私のファッションはオープンマインドを表していると思います。地球に生きる者として、色々な文化の要素を組み合わせたファッションが好きです。タイで買ったサルエルパンツと、インドネシアのゴールドトルクのブレスレット、ディオールのサングラス、
Cassius Clay(ムハメド・アリの本名)のロゴが入ったTシャツと、ジョーダンズを履いたりして。ごちゃまぜですね。

「地球に生きる者として、色々な文化の要素を組み合わせたファッションが好きです。」

世界中のジャズフェスティバルで演奏されていますね。キューバにも何度か行かれたということですが、ハバナ体験はいかがでしたか。
ハバナへ行くといつも、誰かに連れて帰ってもらわなくちゃいけないんです。もう大好きなんです。ハリケーンが来る前のニューオリンズのような感じがします。文化、音楽、料理、アート…ホームみたいな街です。

ニューオリンズご出身ということですが、なぜニューオリンズは世界のどの街とも違う魅力があるのでしょうか。
言葉で表すのはとても難しいですね。人が街を作っている感じで、はつらつとしていて、本能的な、ユニークな人がたくさんいます。こういう人たちが街に特別な雰囲気を与えているのだと思います。

最後にアフリカンネームをご自身に付けられましたね。“Atunde Adjuah”、この名前にはどのような意味、起源があるのでしょうか。
スコットという名前だけでは、世界を行き来するのに不便だと感じたので、名前を加えました。家族は大好きですし、名前に関係する信条にもとても共感しているのですが、黒人が差別されてきた歴史を軽く考えるのはいやだったのです。子どもたちに意味は考えさせようと思います。“aTunde” も “Adjuah”も、どちらももともとは場所の名前です。

着用しているONS春夏コレクションは全てONS原宿店でチェックできます。

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