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ブルックリン、ウィリアムズバーグ:BAR VELO

ブルックリンのウィリアムズバーグにあるバー・ベロに一歩入れば、ノスタルジックな雰囲気が空間に充満していることに驚くでしょう。しつらえてある物全てがあなたの感覚を飲み込んでしまいます。美しく色あせた趣きのあるラウンドテーブル、アンティークの椅子、年季の入ったバーカウンターと、照明、それから電気ではなく歯車で動く珍しいシーリングファン。まるで1930年代のヨーロッパのカフェに来たと錯覚してしまうほど。次に目に入るのはヴィンテージの自転車に関係する品々やアートワーク。それから気品すら漂うカスタマイズされた固定ギアの自転車。これらの要素がこの場所に奥行きを持たせているのです。全てのデザインを手がけたのはこのバー・ベロのマエストロ、ジョン・マックコーミック(John McCormick)さん。彼はブルックリンでも名のしれたデザインのスペシャリストで彼が経営するブルックリンのもう1店舗St. Mazie、フレンチレストランのMaison Premiere、ブラッスリーのFive Leaves and Witlofの内装も手がけました。
奥様のヴァネッサさんとともに作り上げた親しみのあるインテリアがお客さんを迎えます。ブルックリンでバー・ベロ以上にリラックスして夜を楽しめる場所は他にないと断言できます。そんなジョンさんのインタビューをご覧ください。

まずはジョンさんのバーやレストランといった業界での経歴を簡単に教えて下さい。

ずっと自分のカフェを持ちたかったんです。祖父がチャールズ・マックコーミックというのですが、ミネソタ州のセイント・ポールに「チャックズ・ペッパーポットカフェ」という店を営んでいました。彼がバーテンダーで祖母のバーニーが素朴な家庭料理をふるまっていました。20代のころはあちこちでバーテンダーをしたり、サービス業に関わることをしていました。30代前半でついにニューヨークのソーホーにPalacinkaという店をオープンしました。36,000ドル(約360万円)と3ヶ月かけて父や兄の力を借りて店をデザインして建てました。そのあとにバイクのモトグッツィの店ができたんです。でも過去は振り返らない主義です。

ベロはノスタルジックで、それでいて誰でも親しみやすい素晴らしい雰囲気のお店ですが、このバーのコンセプトはどのようにして生まれたのですか。

ベロは20年以上考えてきたことを体現させた、私にとってとても特別な存在です。空間を創るときいつもそこに来る人が日常とは少し違う体験ができる場所にしたいと考えています。時間や場所を越えたような場所にしたいんです。お客さんがどこか遠くへ来たような、世界の他の場所にある好きだったレストランを思い出すような、そんな旅をしているような空間にしたいのです。

ベロにはジョンさんが集めたヴィンテージの家具や小物がたくさんありますね。色々な場所にちりばめられてまるで宝探しのようです。これらはどういった所から集めてくるのですか。

デザインをするにあたってディテールはとても大事です。お客さんには来る度に新しい何かを発見してほしいです。でも同時に物が多すぎるという状態は好きではありません。お客さんが快適だと感じる余白を作るようにしていますが、あざとくならないように気をつけています。ベロにあるヴィンテージ品は私が25年かけて集めてきたもので、ずっと日の目を見るのを待っていた物もあります。自慢の物もたくさんあります。自転車でヨーロッパを旅していたときに見つけて、服を捨ててサドルバッグに入れて持って帰ってきたものもあります。ほとんどのものは骨董屋、クレイグスリスト(家具家電の売買やマンション貸し借り等ができるアメリカの掲示板)、eBay(フリマサイト)で見つけました。その物が私のことを見つけたんだといつも感じます。でもどうやって見つけ出すかというのももちろん勉強してきました。宝物を探すのにかなりの時間をかけてきましたからね。

ベロには「サイクリング」というのもひとつのキーワードですね。これはジョンさんがサイクリング好きというところから来たのでしょうか。

単なるスポーツとしてだけでなく、自転車はおそらく人類の発明の中でも最も革新的なものだと思っています。通勤、旅行、もしくはスポーツで自転車を乗りますが、あちこちにスピードを出して効率的に移動できる上に健康に良いのですから。
物心ついたときからずっと自転車に夢中でした。20代半ばでミネソタ州のミネアポリスとニューヨークでメッセンジャーをやっていました。アマチュアのバイクレースに出場したり、イギリスとアイルランド、北ヨーロッパを自転車で旅行したりしました。サイクリングの文化が大好きなんです。ツール・ド・フランスやパリ・ルーベ、ジロ・デ・イタリアといった歴史あるレースも大好きです。昔はよく朝エスプレッソを作りながらこういったクラシックなレースや伝説的レーサーの映像を見て楽しんでいました。ファウスト・コッピやジーノ・バルタリといった30年代、40年代のイタリアの2大巨匠が特にお気に入りです。ほとんどの人は知らないと思いますが、競輪レースは1900?20年代、地球上で一番人気のあったスポーツだったんです。

デコレーションの数々に圧倒されたあとはお待ちかねのドリンクです。どのメニューから始めるのがいいでしょうか。

自分たちが来たいと思う場所を作りたいと思っています。メニューに健康的なものを入れたのも私たちが大切だと思ったからです。カクテルも普通とは少し違う物をそろえて、特別な体験をしていただけますよ。妻はハーブにとても詳しくて、気分や健康状態までも影響すると言うので、それをカクテルに応用することにしました。だから癒やしの効果もあるんですね。例えばセージとウィスキーを混ぜてスパイスを加えたカクテルがあります。セージは脳を刺激して記憶力を増強し、長生きできて、頭が良くなり、自己防衛力も増す。さらに願いが叶うとも言われているのですから、これが良いカクテル以外のなんと表現したらいいでしょうか。スコッチ、アンゴスツラの苦味、火を通したローズマリー、しょうが、はちみつ、レモンローズマリーを使用したカクテルがあります。これも脳に働きかけて、心身を落ち着かせるセラトニンを増やすと言われています。仕事で疲れたときにこのカクテルで癒やされてほしいですね。単純に美味しいですし。
料理はベジタリアンフードでできるだけ地元のオーガニック野菜を使うようにしています。ほとんどがビーガンフードでもあり、メニュー開発は素晴らしい時間でした。私たちの哲学を表現できる場所を創り上げるのはとても楽しいです。できるだけエコでいることを心がけています。残飯で堆肥を作ったりワインやビールはタップから出すようにしてゴミを出さない工夫をしています。このテーマをさらに深く掘り下げて、自分たちも学び続けたいと考えています。

ベロ・トゥー・ゴーという新しい店を出されるそうですね。詳しくお聞きしたいのですが。

次の春にブルックリンのブロードウェイとへウェス・ストリートの角にテイクアウトの店を出します。地下鉄JまたはM線の駅近くでコーヒー、ジュース、サンドイッチなどの軽食を売る予定です。

お聞きしたところによるとラルフ・ローレンのRRLでデザインされたこともあるということですね。どのようなプロジェクトだったのでしょうか。

当時ソーホーにRRLの店があって、看板の作成を依頼されました。それが初めての大きな看板製作だったので出来上がったものを見た時はとても幸せでした。それから他の場所でも看板製作をするようになりました。細かい指示があるこのような仕事は瞑想に似ています。それに加えて友人でWorks Mfgのアレクシー・クラブチャクや兄のケビン・マックコーミックと一緒に多くのレストランの内装を手がけました。これらのほとんどはウィリアムズバーグにありまして、Mason Premiere、Five Leaves、No Name Bar、St Mazie、Spritzenhaus & Brasserie Witlofなどがそうです。1店例外でSmith and Millsはマンハッタンのトライベッカにあります。今は照明や小物をデザインすることに集中しています。伝統的なヨーロッパのカフェやバーの文化を純粋に楽しめるようなものをデザインしています。全ての仕事で照明をデザインして作っています。これが私のクリエイティブな発散させる物なのです。

他に読者に伝えておきたいプロジェクトはありますか。

落ち着いたらベロを他の場所でもオープンしてみたいと思っています。また色々な人と仕事をしようとしていますが、まだ発表できないです。来年の上旬に照明やその他ホームアクセサリーのオンラインショップをオープンさせる予定です。盛りだくさんですよ!St Mazieとベロでなかなか忙しいですけどね。

最後に今回はノクターナル特集ということで、#BestNightEver(人生史上最高の夜)について伺います。

良いのがありますよ。Union Pool、Hotel Delmano、Cafe Coletteを経営するゼブ・スチュアートとの思い出を話しましょう。昔、月曜日の夜遅くに自転車でニューヨークを走り回るということをよくしていました。友だちのバーやショップに立ち寄ってちょっとドリンクを飲んだりして楽しんでいました。ローワーマンハッタンをサイクリングしていたところ、ブルックリンブリッジの綱の長さを測ったら面白いんじゃないかと言い出しました。午前4時、イーストリバーに霧が立ち込めるなか橋の頂上にあるアメリカ国旗の横にいました。どうやってそこから抜けだしたか覚えてないのですが、とにかく急いで降りたことは覚えています。

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